こんにちは!!
保育士の奥本です!!
今回は「発達障がいと疲れやすさ」の関係についてお話します。
子どもたちの中には頻繁に「疲れた」と口にする子がいます。
「疲れた」の原因にはどんなことがあるのでしょうか。
日々の学校や習い事などで疲労が溜まっているのかもしれませんね。
もしかしたらそのスケジュールをこなすための体力が足りていないのかもしれません。
もしくは苦手意識やモチベーションの低さ、他にやりたいことがある気持ちを伝えることが難しく、「疲れた」という言葉で表現しているのかもしれません。
子どもが発した言葉やその様子の裏にどんな意味や事情が隠れているのか、日々の関りや観察で推察し、フォローしてあげることが周りの大人ができるサポートです。
その参考情報の一つに、発達障がいには「疲れやすさ」という特性があります。
そのメカニズムを5つみていきましょう。
①環境に合わせるために神経をすり減らしている
定型発達の人の場合、何気なく・自然に・無意識にできることでも、発達障がいの人は頭や心や体をフル回転させて対応していることが多々あります。
何気ないコミュニケーションの中でも空気を読もうと色々考えたり、我慢したり。
授業中にじっとする、話を集中して聞く、板書するなど、当たり前と思えることも神経を張り巡らせて取り組んでいるかもしれません。
そのため周囲から見たら「普通にしているだけ」でも、それだけでたくさんのエネルギーを消費している可能性があります。
②【感覚過敏】刺激に対してストレスを感じやすい
発達障がいの特徴の一つに感覚過敏があります。
音や光などといった感覚を敏感に感じ取ってしまうことです。
想像してみてください。
工事現場で勉強がはかどりますか?
強い直射日光の下で本が読めるでしょうか?
チクチクした服を着てリラックスできますか?
感覚に過敏性のある人はそうでない人よりもストレスにさらされている機会が多く、神経をすり減らしやすい傾向にあります。
③【発達性協調運動障がい】”効率良く”体を動かすことが苦手
発達障害をもつ人の中には極端に不器用だったり、力加減を調整することが苦手だったりするため、「服を着る」「靴ひもを結ぶ」といった日常的に行われるような動作でも苦労し、疲労感を覚えやすい傾向にあります。
また動作が困難であれば肩に力が入り、無駄にパワーを使ってしまって体力的にも疲弊します。
学校生活の中でも他の子より動作が遅かったり、体育の授業がしんどかったりと、心身ともに疲れやすくなるでしょう。
④【多動・衝動性】活動量が多くエネルギー消費が激しい
多動・衝動性優勢型のADHD(注意欠陥多動性障がい)には、思考や行動のコントロールが効きにくいという特徴があり、身体が動いてしまったり、必要以上に考えてしまったりして、日常的に費やしているエネルギー量が他の人よりも多い傾向にあります。
また、単純な活動量の問題だけでなく、その衝動性をコントロールすることに神経をすり減らして疲れてしまう例も多いです。
⑤【睡眠障害】体や脳・心のON・OFFのコントロールが難しい
上記のような理由から、発達障害のある人は緊張状態が続いたり、エネルギー消費が激しかったりといった傾向があると同時に、体や脳・心を癒すための休息をとることにも苦手さが見られ、睡眠障害を抱えて疲れやすいことが多いです
具体的には、小さな物音が気になったり、考え事が止まらなくなったりして寝付けないのです。
ADHD(注意欠陥多動性障がい)の25~50%が睡眠に関する何らかの問題を抱えていると言われています。
こういった特徴から発達障がいのある人の「疲れた」という言葉の背景には様々な事情が隠れている可能性があります。
他の子と比べて安易に大丈夫と思わないことが大切です。
特に変化の多い時期は本人にとっては深刻かもしれません。
ストレスを減らす方法や休息の取り方を一緒に考えてあげる姿勢もご本人にとっての安心要素となるかもしれませんね。
【参照】
「TEENS 発達障害のある小中高生向け 放課後等デイサービス」