放課後デイの役割

こんにちは(^-^)

サンクス運動療育クラブ 管理者の小林です。

夏休みも後半となりましたね。今年の夏もコロナへの不安がちらつきましたが、皆それぞれに現状の中での過ごし方が身に付いてきたように感じます。

また、学校も間もなく始まりますが、こどもたちそれぞれが現状の中でも楽しい日々を過ごしてくれることを願っています。

 

さて、サンクスは夏休みなどの長期休暇中は、3部制となり、それぞれのクラス時間には少人数(3~4人)での療育となります。

少人数制のメリットは、普段の受入れ(10人)時よりも、スタッフが一人一人のお子様にしっかり関わり、コミュニケーションが取れること、また、細かな運動の助言なども平常時以上に行うことができます。

 

わたしは日々スタッフに「少人数だからこそできる支援を逃さないように」と伝えています。これはコロナ禍で利用者数が激減した時にも同様だったのですが、こども達の数が少ない時こそ、コミュニケーションのチャンスも多いので、色んな話題をする中でこどもの好きなこと(もの)や価値観などの情報収集ができますし、同時にたくさんの「褒めポイント」を見つけて本人にフィードバックすることで、こども自身が普段自分では自覚できない”自分のステキなところ”を認識することができます。

 

また、サンクスは運動を通じて、こどもができることを広げ、生活の中で様々なことへ挑戦することへの意欲やできることが増えた喜びを体感してもらえるよう取り組んでいます。

この「できること」を増やすには、こども自身が取り組む中で経験の中から気付いたりすることが大切ですが、自分だけでは気付くことまで到達が難しい子もいます。

そんな時に、「ヒント」を与えてあげることでそれを頼りにこどもが自分でできるきっかけを掴みます。そのお手伝いをスタッフみんなでさせて頂いています。

 

最近、放課後デイの職員さん対象のセミナー講師をさせていただいたのですが、その時にお話ししたことをここでもブログを読んでくださる方にシェアしたいと思います。

 

現在、数えきれないほどの放課後デイが設立されてきています。

厳しい現実を言いますと、中には「専門性の高い支援内容を追求することより、利用者数獲得(または利用日数獲得)が最重要」で運営しているように見受けられる事業所もあります。

確かに、私たちはボランティアではありません。利用があってこそ利用料をいただけるわけで、事業所で働くスタッフにもお給料を払っていかなければいけません。そのためには、利用してくださる方がいることが前提なので、利用者数を確保し、利用料を頂くことは実際に重要です。

 

ただ、それだけで日々過ごしてしまってはいけないと考えています。

こども達を迎え、楽しい時間を過ごし、帰りに「楽しかった~」だけでOKなのか。

それではただの預かり保育です。

私たちは、放課後デイという専門職の任務として、こども達の可能性を広げていく支援を行い、その結果を出せるよう最善を尽くさなければいけないと思っています。

放課後デイは、あてもなく長期間利用して頂き、利用枠を埋めていればいいのではなく、

こども達を「放課後デイ」という福祉サービスから、一般の習い事や集団のコミュニティの中に社会参加できる力をつけて、送り出してあげることが、一番大切にすべきことではないかと思います。

わたしたち支援者や親が、ずっとこどもの傍で色んなサポートをし続けることはできません。こども達も一人の人として社会の中で自分の力で生きていけるように育ててあげる必要があります。

なので、サンクスは、日々の支援の中でこども自身や親御様に「力がついてきているね、できることが増えてきているね!」と自信を持って日々の生活の中でその意欲を反映して頂けるように心がけています。

 

こども達の「今が 楽しい」それは大切ですが、それだけで終わってしまうのでなく

将来につながる大切な移行期間として放課後デイの役割を果たしていきたいと思います。

 

「つまらないから」「合わないから」で放課後デイを利用終了される場合も中にはありますが、できる限り「力がついたからもう放課後デイに通わなくてもいいと思う!スタッフがいない場所でも自分の力で楽しんで過ごせると思う!」と自信を持って巣立つ利用終了を目指したいと思います。そんなこども達をサンクスではたくさん送り出したいな、と思っています。

 

こども達の長い人生の中で、ほんのわずかな時間かもしれませんが、

「サンクスに行った時間が今の自分につながっている。行けてよかったな」と記憶に残る場所になるといいなぁ。

 

本当は、かわいいこども達とずっと一緒に過ごしていたいですけどね。

だけど、力をつけて社会に送り出すために別れも創る。

それが放課後デイの支援者としてのこども達への愛かなぁと思います。